2011年06月02日

「脱原発こそ国家永続の道」に思う 馬渕睦夫

西尾先生の論文「脱原発こそ国家永続の道」に思う  6月1日

         坦々塾会員   馬渕睦夫

 西尾先生のWiLL7月号の論文「脱原発こそ国家永続の道」は、同じくWiLL6月号の「原子力安全・保安院の『未必の故意』」の二つの論点、すなわち@なぜ日本は最悪の事態を想定できないのか、及びA米国技術である原子力発電を導入するに当たっての問題点、を国家的視点からより絞って論じられ、脱原発の立場を鮮明にされたものと考えます。
従って、7月号論文を理解するためには、6月号論文を読む必要があります。6月号論文については、7月号の堤・久保両氏の「蒟蒻問答」で取り上げられており、「『和』を乱す者が排除される日本の精神風土が、原子力村で異論を唱えるものを排除した結果、今日の原発事故を招いた」と西尾論文の主旨を要約し、「和」の功罪について両者の間で議論されています。この問答もあわせ読むと、西尾先生が6月号で提起された論点がより明確になると思います。

 私なりに整理しますと、6月号で指摘された二つの論点の根は結局ひとつに問題、すなわち「外来文化(技術)をどう導入するべきか」に集約され、それが7月号論文になったと理解します。6月号のポイントは、原発技術は自然を加工するという欧米思想から生まれたもので、その前提には人間の対立関係を前提とする「個人主義」から来る相互監視のシステムがある。しかし日本は性善説で「和」を優先するため、閉鎖的な相互無批判社会になり、最悪の事態を想定することができなくなる、ということでしょうが、私が特に注目したのは、以下の件です。「『個人主義』が全てにわたって優位にあるとは必ずしもいえない。ただ、自然科学はそもそも欧米からきた。そこに日本の伝統技術も加算された。原子力発電は日本で進歩が著しいといわれるものの、いざ事故が起こってみると、事故対応の役に立つロボット技術ひとつ用意されていない」(198ページ)。

 ここで「日本の伝統技術も加算された」と述べられていますが、実は加算の仕方が十分ではなかったのであり、その点が7月号論文で極めて明白に以下の通り指摘されています。
「ホンダでも、トヨタでも、一流の企業文化には必ずそういう人間力と技量と哲学を兼ね備えた技術者(馬渕註:事故事例を追及し、二度と同じ事故を許さないとする強い信念と哲学を持った技術者)たちに培われた時期というものがある。残念ながら、日本の原子力発電は、そういう歴史を持っていない。基本的にアメリカの模倣であり、加えられた日本の技術は改良技術にとどまっている」。アメリカ製原子炉の構造の改良は地震国日本に適応するには不十分で、「国鉄やトヨタやホンダのような国産の企業文化、技術文化のうえに立脚していないのがわが原子力産業の実態であり、その馬脚が露骨に現れたのが、今回の事故であったといわざるを得ないだろう」(52ページ)。

 まさに指摘の通りで、福島原発はアメリカの原発技術を導入するに当たって、日本の実情に合うように造り変え土着化させた「国産」技術でなかったが故に、事故の発生を防げなかったのみならず、事故処理をどうやっていいかわからないというドタバタの醜態を招いたということです。国産でない、土着化していない技術は、日本の国情に合っていない不安定な技術であり、社会に混乱を招く原因になることを示しています。この論理のアナロジーとして、日本の安全保障、軍事力もアメリカに頼り「国産」ではないことの危険に気づかなくてはならない、憲法を改正して「国産」の軍隊を持つべしという主張になります。そうすれば、商人国家路線も完全に終わることになるでしょう。結局、国土を汚染するから脱原発という理由もさることながら、西尾先生の本意は、日本の行うべきことは日本国家が国家たることを妨げている根本原因であるアメリカ依存(外来文化依存)からの脱却であって、それが脱原発という言葉で象徴されていると私は解釈しました。だからこそ脱原発は「国家永続の道」なのです。
        
posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 12:54| Comment(2) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 はじめまして!原発推進論者は率先して原発と地元住民との間に家族ともども居を定めるべし、との意見です。
 今から凡そ4年近く前の先生によるコメントについての私からの更なる賛成コメントです。
 原発推進論者の甚だ勝手な主張は、自分たちは安全圏にいて、現状は地元住民を犠牲にしてでも、専ら国家利益を優先すべし、というものです。
 全く”イスカリオテメリカ”となってしまった'USA'の洗脳から、未だに脱却できていない、というのが現状だと思います。「金銭に対する愛はあらゆる有害な事柄の根であるからです。」(テモテ第一6章10節)
 いずれ、人智をはるかに超えた”ノアの大洪水”の如く、全能のエホバ神による”ハルマゲドン”により、確実に滅ぼされる運命にあります。(ダニエル書11章45節、啓示16章14,16節)
 まずはこれにて。
  2015/04/03    平野 より
 
Posted by 平野 孝 at 2015年04月03日 03:45
 先の原発依存不適当のコメントに続く根本原因に関する書籍のご紹介です。
 すでにご存知のことと思いますが、現在のアメリカは拝金至上主義の”イスカリオテメリカ”にほぼ完全に乗っ取られています。何と”5000年”にもわたるユダヤ人の本質を見事に暴いた1冊の書籍があります。それは
 ユースタス・マリーンズ著「真のユダヤ史」(成甲書房'12年初版)
です。それにしてもこの出版社は本当に衝撃的な本ばかりを出版していますね。
 馬渕先生にもよろしくお伝えくださいませ。
  2015/04/15pm   平野 より
Posted by 平野 孝 at 2015年04月15日 15:24
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