日米関係N(卑怯な社会)
・・・和佐隆弘氏からの聞き書き・・・
坦々塾会員 浜田 實
この世界は、よく考えてみれば「矛盾」そのものだ。昨年、友人の紹介で『二千五百年史・1〜5巻』(竹越与三郎著、講談社学術文庫)を一気に通読したが、本著には日本史における「歴史の矛盾」が随所に書かれている。中村哲は本書を「当時の進歩的な通史」であると喝破しているが、まさに言い得て妙である。また彼はトインビーの言葉を引用して、歴史家は個人のインスピレーションがいかに貴重であることかと、ギボンと竹越与三郎のことを『歴史と発見』のなかで論じているという。
実はこの本、友人のご子息が大学の担当教授から竹越与三郎を学んだと聞く。本著は、間違いなく日本人を“大人にする”。日本人を“文明人”にする本である。
ともあれ、友人とのご縁でこの本に接することができたことは望外の幸せである。あらためて、私の文明への開眼への手引きになった本でもある。
本著は、我が国が日清戦争に勝利し、一等国入りを果たした明治29年に上梓された、というところに大きな特徴があることを見逃してはならない。竹越与三郎は明治天皇に近かったという。その竹越が、イギリスの通史と日本のそれを比較しながら、人間というものは、結局は「歴史の桎梏」から逃れることはできないことを、シナの属国から一気に一等国となった祖国日本に対しての“教訓の書”であり、同時に“警鐘の書”を世に出したのである。
NHKの番組を見るたびに、NHKは本来、こういう番組をこそ精選して、勿論得意の“歴史捏造”を排除して、国民に知らせるべきなのである。そうしていれば、今日のように、不甲斐ない日本人を大量に生産することはなかったであろう。
実はこの本を、当の和佐氏が読んで愛読書にしていたというから、人生とは縁なものであると感じている次第である。
この本を紹介してくれた友人に心から感謝したい。
【以下、聞き書きです。】
●賠償金争奪ゴッコ、醜さにおいて「瓦版」の歴史も同じ・・・
日本人から悪く言われているルーズベルトと、ケインズ、マックス・ウェーバーを、我々はどう観たらいいのだろうか。文明教徒の視点から説明してみる。
まずルーズベルトであるが、リヴァイアサン国家アメリカの大統領であるから、日本からみて、謀略の限りを行ったことは当然である。ここでは、それがいいか悪いかは問わない。彼は悪人といえば極悪人であるが、文明人としてみた場合には、日本人の解らない評価もあることを指摘しておきたい。
第一次世界大戦でドイツは敗戦をした。その戦後処理を巡り、ベルサイユ条約では、各国が死体に群れるハイエナやハゲタカの如く、分け前を分捕ろうと、悪逆の限りを尽くしてきたことを、日本人はあまり知らない。当時の帝国主義国とは、その程度の恐ろしい国家であった。先の3名は、この悲惨な現場(ドイツに対する賠償金争奪ゴッコ)の現場を実際に観たのである。それは私が、規模の差こそあれ、日経内部で詐欺の現場を観たことと軌を一にする。
言うなれば、3名は「争奪ゴッコ」の中に入ることを(直視できず)拒否し、云わば一匹の精神に徹したのである。
我が国新聞社の始まりは「瓦版」であった。あれは当時、戸籍を抹消された河原乞食、無国籍者の生き残りをかけた文字通りの生業としての商売であり、生存権を奪われた、法治国家における被差別部落の歴史の産物と見るべきだ。法で守られたエスタブリッシメントの、人の不幸を食い物にする商売であった。それが特権化された姿が今のマスコミ一般の姿といってよい。その姿は、マッチポンプに代表される、自分たちが、家に火をつけて「大変だ!」と騒ぎ立てているようなものである。マスコミが大合唱するとき、そういう姿を想像してみるとよい。
昔犯罪者は島流しにされ、刑期を終えると本国に戻った。とりわけ政治犯は、島流しに遭うと、本国に戻っても、名を名乗ることができない。
明治45年の乃木大将の「殉死」、夏目漱石が『こころ』で書いているが、あれは誉ある日本人武士による最後の殉死であった。その後の軍人たちは敗戦となっても、ごく一部の人を除いて、殉死した者は居なかった。つまりそれは、我が国が誇る武士道が、そのときすでにすたれていたことを示す。特権を貰いながら、戦争を敗戦に導いた、武士道精神なき軍人たちの生き様を三島由紀夫は怒った。彼の著書『金閣寺』が、三島の微妙な心情を伝えている。
国を失って長いこと、世界を放浪してきた弱者であるユダヤ人には、そういう卑怯な人間たちの生き様が手にとって解る。もちろんそれは、欧米人の卑怯者に対しても同様であった。『オセロ』『リヤ王』『ハムレット』『ベニスの商人』・・等々、シェイクスピアの作品群は、ユダヤ人たちの、疼くような苦悩を心憎いまで巧みに表現している。英文学の“凄さ”を我々は、軽く見てはいけない。その英国の精神が米国に伝わっている。イングランド銀行の設立にしても、まさにそういう歴史の渦中でできたのである。シティやウォール街の世界である。
●「ユダヤ劇場」という現実を日本人は知っているか
話は戻るが、当時のドイツを食い物にしたのは人類史で演じられた“ユダヤ劇場”であった。彼らのハゲタカ的な犯罪がこの問題の水面下にあった。
BC722年に国を失ったアラム王国。国を失った悲しみ、悲惨さは、今の安穏とした日本人には到底理解できるものではない。彼らは放浪する国々で、国籍を抹殺され、一個の人間として見做されてこなかった。紛争の陰にユダヤ人あり。喧嘩の仲裁現場にユダヤ人あり。・・・様々なところにユダヤ人の、醜くも健気な姿があった。それは国を失い、徹底して弱者の立場に置かれたユダヤ人ならではの、生き抜いて行くための知恵であった。日本における天皇殉死にも、戸籍を失った、日本のヤクザが混じっていることを知っていてもいいだろう。困ったことに、こうした状況に付け込んだエセ同和の発生であり、ユダヤ人問題にも同じことが当てはまる。
日本の検察は、昔からそのヤクザを利用してきた。相撲界の地方巡業場所で、ヤクザがショバ代を掠め取るのも、かつてユダヤ人がやってきたことであった。そこには、彼らの歴史を見れば、同情の余地もあるというものだ。笑い事のようだが、世の中まともな人間ばかりであったなら警察は不要になる。まともでない人間があっての警察である。昔、朝日新聞による「珊瑚礁」を傷つけたニセ記事。あれも、世の中を騒がせて金にしようとした、かつてのユダヤ人と同じ類の唾棄すべき行動であった。
モンゴルには森林がない。我が国の森林は豊富で、かつ天然の要塞である。かつてユダヤ人が在住してきたところは、モンゴル高原以上に荒れた土地であった。そういう環境で苦労してきたユダヤ人のような生活を、日本人が果たしてできるかどうか、日本人には想像もできまい。
シャーロック・ホームズのコナンドイルなどに見られる捜査分析の能力は、ユダヤ人を細かく観察してきたシェイクス・ピアの国、英国ならではのことである。あのシティにしても、ユダヤ人の知恵で運営されてきた。戦争がないと困るのはユダヤ人である。彼らが昔から「死の商人」と云われてきた理由がそこにある。まさにハイリスク・ハイリターンの世界である。死の商人・・・彼らにすれば当たり前のことである。彼らの「生き残りの知恵」であるから。ユダヤ人がいい、悪いといったところで始まらない。何が悪い?といえば、彼らに苛酷な運命をもたらしたローマ帝国であり、ネロ皇帝であるというべきであろう。ここに歴史の「矛盾」がある。ユダヤ人の世界を、陸奥宗光や原敬や、松下幸之助はよく知っていた(観えていた)。明治維新は徳川260年の武士特権階級社会の革命という要素を無視できない。紀州・南部藩出身のため、明治政権で不当に差別されたからだ。彼らはそのハンデを克服した武士道精神の体現者だった。
●アメリカの正体を知れ、彼らに「Yes」と言わせよ! チャンチキオケサの世界から脱皮せよ!
こういうユダヤ人が支配するアメリカの正体、性格をよく知ったうえで、日本は彼らに「YES」と言わせなければならない。ヤクザにも、いいヤクザと悪いヤクザがいるように、ユダヤ人にも、いいユダヤ人と、悪いユダヤ人がいる。そういうことすら考えずに、チャンチキオケサを歌って楽しんでいる日本人が多すぎて、目が開けられないのが実状である。恐ろしいジャパンプロブレムだ。世界も人類の歴史にも無知な、まさに“知らぬ同士”のチャンチキオケサの世界である。
ソクラテスは歴史上、最大の知者であった。ホッブスはソクラテス、プラトンの精神を受け継ぎ、一国の指導者は“自分自身”という一人の人間を通して「全人類を観る」ことを条件とした。(痩せた)ソクラテスの精神そのものであった。60年安保後のノンポリ化した日本に、痩せたソクラテスは居るのだろうか?
「太った豚」(=戦後の日本人の姿)と「痩せたソクラテス」、この「差」はあまりにも大きいと言わねばならない。アメリカは巨大な産軍複合体の国。だから「死の商人」であるユダヤ人に食い込まれる。太った豚は、こういうことさえ解らず、彼らの行動を想像することもできず、彼らの餌食になるまで安穏を貪り続けるのである。日本は「今こそエコノミックアニマルから脱皮のチャンス到来のとき」と認識しなければ、日本の明日はないだろう。
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