2009年12月18日

Return: 天皇は国家公務員か 河内 隆彌



Return: 天皇は国家公務員か

     坦々塾会員 河内 隆彌


 ここ二三日、何やら腹脹(ふく)るる思いだったのですが、足立誠之さんの投稿に背中を押されて、駄文を記してみます。

 中国の習近平国家副主席と天皇陛下の特例会見問題は、観念的、抽象的な「象徴天皇」がいかに現実の具体的局面に脆弱であるか、を如実に示しました。これは、「事業仕分け」「郵政社長人事」、または、「デフレ」「年金」「少子化」等々よりもはるかにはるかに基本的な、民主党政権の動きが投じた波紋であり、その波紋は、ほぼ同時に発生している「普天間移設」問題と重なりあい、たがいに増幅しながら打ち寄せている感があります。

 天皇の「政治利用」ではないか、という巷間の批判に対し、民主党小沢幹事長は、正面から答えず、憲法上の、内閣の助言と承認の規定を勝手に解釈して、問題を正当化しようとしております。羽毛田宮内庁長官を「辞めてからものを言え」と非難した12月14日の記者会見の翌日も、自身のパーティの席上で小沢氏は、「長官には、政権交代で政治主導になったことの認識が足りない」という趣旨の発言をしたそうです。語るに落ちる、とはこのことですが、小沢氏は、「政治利用で何が悪い」と言っているのと同じです。

 そうです。こういうことが起きるのは、甚だ恐れ多い表現ながら、天皇陛下は、大変な「利用」価値をお持ちだからです。だからこそ、これまで「天皇を利用しない」厳格なルールが守られてきたわけです。「何とかいう役人が、どうだこうだと言ったそうだけど・・云々」という幹事長発言の品性の問題を別としても、このルールは「政権交代」ごときで簡単に引っ繰り返せるものではない。そこが日本の皇室の皇室たる所以であって、日本人はみなそれを知っています。その証拠には、民主党でも、小沢氏本人以外は、みなこの問題では腰が引けているように見受けられます。さはさりながら、「保守の怒り」で西尾塾長が指摘された(p.113〜)本年4月8日の、今上陛下の「相当政治的なご発言」(望ましい象徴の在り方を求められる)の趣旨に沿えば、内閣の助言があればその依頼(本来は国事行為についての)をお断りはしない、という趣旨の印象を与えられた可能性もあり、この「ご発言」がやはり多分に政権与党をencourageしたことは否めないのかも知れません。

 もう一つ、習副主席は次代のリーダー、という触れ込みですが、お国のことですから、かれは、これからも様々な権力闘争に勝ち抜かなくてはならない筈です。日本国内の「政治利用」問題と別に、同氏に「箔」をつけて差し上げた現内閣は、中国の内政にも「政治利用」されているのではないでしょうか?今回の天皇陛下会見が、果たして胡錦涛氏個人の本意であったか疑問が残るところでもあります。(この辺、事前に柏原氏流の日本側インテリジェンスのチェックがあったのかどうか、われわれの知る由もありませんが・・。)

 「戦争放棄」と「象徴天皇」がバーター取引?で記載されたと言われる現行憲法、そして戦争放棄は日米同盟に集約されました。その日米同盟に直結する「普天間」問題。「象徴天皇」問題とあわせて、憲法の最重要二点の露出神経がいま触られようとされています。「政権交代」は、やはりここまできてしまいましたね。       (以 上)


平成21年12月18日 


            河内 隆彌 
posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 17:08| Comment(0) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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