2010年11月23日

『世界史のなかの満州帝国と日本』を読んで大石朋子


『世界史のなかの満州帝国と日本』を読んで

       坦々塾事務局 大石 朋子

 東洋史で著名な宮脇淳子さんから『世界史のなかの満州帝国と日本』(WAC出版)を送っていただいて、直ぐに読んで感想を送ろうとしていましたが、はや一ヶ月ほど経ってしまいました。

 満州からの帰還船の話などは母から聞いたことを切れ切れに記憶していましたが、満州の歴史を知ることは今日の日本の歴史、特に日中関係にも繋がることを、この本で少しですが理解できたような気がしました。

         世界史の中の満州帝国と日本 001.jpg

 
【関東軍の満蒙領有論】(p214)の中で石原莞爾の言葉。

 「支那人がはたして近代国家をつくりうるやすこぶる疑問にして、むしろわが国の治安維持のもとに、漢民族の自然的発展を期するをかれらのため幸福なるを確信する」
 「満蒙は満州および蒙古人のものにして、満州蒙古人は漢民族よりもむしろ大和民族に近い。日本の努力が減退すれば満蒙も中国と同じ混沌状態におちいる」

 現在、中国からの人々を無制限に受け入れている現在の日本に石原翁が生きていれば、混沌とした現在の日本の未来を同じように憂いたのではないか。と思いながら読み進んでいた。

【モンゴルの民族運動】((p248)詳しくは第七章

 「北の「外蒙古」だけがソ連の援助で人民共和国になったあと、中華民国に留まった内蒙古では、隣接する各省の漢人軍閥が、自己の利益を求めて、それぞれ勝手に蒙地開拓運動をおしすすめた。モンゴル人の牧地は減少し、遊牧民の生活は疲弊するばかりだった。」

 何故モンゴルは二つに分かれているのだろう?そんな疑問をこの本は素人の私にも分かりやすく解説してくれる。

【国民国家を生み出したアメリカ独立とフランス革命】(p128)

 「十八世紀までは、世界中のどこにも「国民国家」という形態はなく、あったのは君主制と自治都市だけだった。」


 国家が出来て、「主権・領土・国民」という認識が出来上がってきたわけだが、地球国民、友愛の海という考え方は十八世紀以前に戻ろうという発想なのだろうか?
国家についても分かりやすく解説されています。

 日本が作り上げた満州帝国が中国に遺産として渡り、それが今の中国の経済発展に寄与し、日本を脅かしているのだとしたら、今の日本の経済界が進出していることは、「歴史を学んでいない」の一言では済まされないのではないでしょうか。

 この本は、これからの日本の政府が、企業が、進むべき方向を考え直すためには必要な書物だと思いました。



posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 17:33| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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