2010年02月25日

日米関係I 浜田實

日米関係I 「ジャパン2000年」草案要旨

1991年(平成3年)6月15日の読売新聞にこの大型記事が掲載されている。
この記事はCIAの民間委託報告書で「日本は世界経済の支配を狙って
いる」「日本人は責任意識に欠け、人種差別主義者だ」・・・というもの。
あまりにセンセーショナルな反応に、日米問題の専門家たちも相次いで関与
を否定したり、名前の削除を要求、さらに執筆責任者が大学のポストを辞任
するなと波紋が拡がったとある。

CIAは公式文書ではないと声明を出して、だんまりを決めこんだともある。
この報告書はロチェスター工科大学の対CIA協力を批判し続けていた地元紙が
キャンペーンの一環として暴露したものであった。それを読売新聞がスクープした特種記事であろう。

当時、日米間の経済摩擦からして、もっとこの問題を取り上げ論じるべきであったが、


他紙は取り上げなかったという。日本の新聞業界は他紙の特種情報は先を越されたとして、
編集当局は知らぬ存ぜぬを決め込むのであろうか。
こういうところにも結果的に「情報隠し」の弊害が出ているともいえよう。

厖大な量なので、結論だけを紹介する。

▽日本が比類なく効率のよい産業基盤を作り上げ、それが驚異的なペースで特定の
技術と市場を制覇していることはほとんど議論の余地はない。その経済力の基礎をなす


のは、世界経済制覇に向けた国家ビジョンだ。日本が世界の経済超大国「になったのも


彼らが自分たちの運命を並外れて管理できるからだ。
▽現在の経済の潮流を分析すれば、経済大国としての米国が苦境に置かれていること
が分かる。だが、米経済の低落を食い止めるため迅速な行動をとらなければならない、と


いったコンセンサスは米国市民の間にはない。米国人は往往にして何の理由もなく世界を
楽観視し、自分たちの安全について誤った感情を持つ。日本人はその逆に、悲観的視点


から世界を見る。この悲観主義こそ間断なき献身と掌握後の1939年にも示された。将来
日本が同盟関係を変える潜在的可能性を認識しなければ、それは単純素朴というものだ。



序論、本論、エピローグの内容は、彼らの日本に対する憎悪とも受け取れる言葉で満ち溢
れているが、当時の日本を脅威の対象、文明破壊国とでもいうようなトーンで紹介されている。
ユダヤ・キリスト教の西欧からすれば、日本の経済主義は文明の破壊者と映っていたのである。
思えば幕末ペリーの来航から大東亜戦争に至る西欧文明の来襲は、日本民族にしてみれば
それこそ異文明(文化)の日本支配と映ったものであり、文明史からすれば宿命と云うしかない
出来事であった。

ここで気になるのは、1939年に示されたものが何か、ということである。
それは1936年9月号『フォーチュン』に日本特集として紹介されたものである。
その目次を探ると次のようになる。
〇日の出の日本
〇ある大日本帝国を動かしているのは誰か?
〇日本の紳士たち
〇産業と商業(「人、円、機械」「列強としての力」
〇日本の歴史
〇利益と競争(「日本株式会社を検証する」
〇市民という名の臣民
〇農民(「持たざる農民」)
〇思想コントロール

厖大な量なので、あらためて概略を紹介したい。
何やら「ジャパン2000年」草案要旨と二重写しになるから不気味である。
関心事は、当時の我が国マスコミがこの問題をどう克明に報じたのか、あるいは無視したのか・・
ということである。

この文明相克は今後とも続くであろう。日本が自らのアイデンティティを失わないかたちで、いかに
彼ら西欧と協調してゆくべきかは心する必要がある。
                                            (続く)
posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 05:00| Comment(0) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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