2010年02月18日

日米関係C 浜田 實


日米関係C 和佐隆弘氏の論 聞き書きメモ

    坦々塾会員   浜田 實

 私が学生運動をしていた50年前、
池田内閣の所得倍増⇒40年不況⇒イザナギ景気⇒ヴェトナム戦争⇒アメリカの双子の赤字⇒アメリカの悲鳴(日本よ、助けてくれ)・・という流れがあった。
アメリカの悲鳴(要請)は、アメリカの都合だけでもない。
アメリカは国際共産主義との闘いをリードしていたのである。
その後、グローバルスタンダードの時代となり、人類のつながりが深まった。

 ヒットラードイツにしても、元はといえば、第一次大戦で天文学的賠償を吹っかけられた「怨み」に発していた。
怨みをうまく抑えられるのが大人、抑えられず表に出れば戦争となる。ドイツはガキの喧嘩を買って出たということだ。
家族経営も上手、下手がある。経営を間違えれば、台風、疫病などに対応できない。
新聞記者とは、こういう現象をどう客観的に報道し、間違いがあれば的確な「警報」を発する義務がある。それが彼らのベルーフ(職能)である。ところが実態は「ベルーフの放棄」となって、「情報鎖国」を推し進めたままでいる。

 日本は「和を以って貴しとする」というが、多くは寄らば大樹の陰、長いものにまかれろ、物いえば唇寒し秋の風・・・・でないと村八分にされる、周囲に合わせよう・・・・に流れる。そのため、徒党を組んで、平気でインサイダー取引を行う。
 学閥、財閥がまかり通る。60年安保以降、またニクソンショック、オイルショックの後、資本主義の市場機能を言える人間がいなくなった。新聞記者にしても、官僚のレクチャー(記者クラブ)を有り難がり、その範囲内で記事を書く。官僚の隠したい情報は国民に知らされない。
 変動相場、株価の時価発行・・・資本主義経済は、相場が資源配分を決める。日本は経験がなかったばかりに、その対応を誤り、ボロを出すばかりであった。
 一番の問題は、「禁じ手」を使ったこと。つまり、円切り上げで大損を喰らい、本来自己責任で処理すべきところを、赤字国債の発行に走り、国家が問題を被ることをやってきた。民間債務を役人の許認可権にすがり、族議員がのさばることになった。
 本来、こういう動きをチェックし、警報を発するのが学者であり、ジャーナリストである筈だが、それもできずに今日に至っている。「情報鎖国・日本」と言われる所以である。

 中曽根の「裏切り」がいかに大罪であるかお判りであろう。軽はずみに「運命共同体」という言葉をアメリカに発し、約束を守らなかったツケは大きい。その約束も守れないまま「禁じ手」で誤魔化そうとしたのである。多岐孝一の『謀略 日米経済戦争』(文芸社)は、そういうことを指摘している。

 BIS規制で、経団連企業の一群が、当時の「資産再評価価格 400兆円」(時価/含み価格の差額)を、土地代が膨大に上がっているにも関わらず、「税金も負担しないまま」いつの間にか、ちゃっかり自己資本に組み入れた。このときの小渕内閣の通産大臣が与謝野氏であり、経団連会長が奥田英二、今井敬であった。そのとき、400兆円の処理を適正に行っていれば、当時の財政赤字(国債保有額)300兆円を帳消しすることも可能であり、健全財政体質を回復し、日本経済の再浮上も可能であった。さらに言えば、今日の巨額の財政赤字(GDPの2倍)もゼロ金利も、それに影響されたサブプライムの問題もなかったかもしれないのである。なおかつ、差額の100兆円を日米通商問題解決のために活用することも可能であった。そもそも企業による株式の持ち合いが、資本主義経済のルールに反しているのである。

 奥田会長までの自民党政権の下で行われた政財界ぐるみの不公正を、実はアメリカは知っているのである。ついでに、この400兆円の他に、銀行を中心とする金融会社は27兆円を誤魔化してきたことも付記しておきたい。この問題は根っこに安保問題が潜んでいるのである。
問題はこの不公正をアメリカが黙って見逃すだろうかということ。リヴァイアサン国家・アメリカが見逃す筈はない。
 資本主義を知る者かたみれば、いまトヨタが叩かれているということは、アメリカは懲らしめにGM(=不公正のモデル)潰しをした延長線上にあると見ることが出来る。そのGMに例えられるのが、不公正競争に凌ぎを削ってきた「日本」である。日本叩きはさらに亢進することが予想される。
 経団連も対策を考えないと大変な事態になる。対策は有効的なもので、かつ too early でやらねばならない。
 御手洗現会長でできるとも思えない。
 おりしも、5月からの新会長に、住友化学の米倉氏の就任が決まった。
 米倉氏は元経団連副会長を務めた長谷川周重氏の秘蔵子。当然長谷川氏の心、経営感覚を継承している筈である。長谷川氏は、日米経済協議会の日本側議長時代、ただ一人、「これからの日米関係は大変なことになる・・・」と喝破された人である。
なぜか? 長谷川氏はクリスチャンで、しかも長年経理畑を歩んできた。つまり複式簿記の世界を理解できる人である。複式簿記の世界は文明社会の象徴である。
 かのゲーテでさえ「複式簿記は人間精神の最大の発明品である」と評価した。複式簿記の世界が分かるということは、資本主義が分かる(=アメリカが分かる)ということである。ちなみに、科挙試験をくぐってきたキャリア官僚は、複式簿記を知らず軽視する。資本主義経済の分からない官僚たちは日本の財政をいじくりまわしているのであるから、日本経済の経営を失敗するのもうなづける。
 資本主義の分かる長谷川氏は当然、経営の神様 松下幸之助の世界も理解できた筈である。松下氏はノーブレス・オブリージュの世界が分かっていた。日本資本主義の神様といってもいいだろう。
 資本主義は松下⇒長谷川⇒(御手洗をパスして)⇒米倉へと伝承されていると考えたい。その米倉氏は昔から「浮利を追わない」住友精神を継いでいる。
 何とか、アメリカの分かる米倉新会長を中心に、今までアメリカを怒らせてきた経団連による不公平取り組みを、ドラスティックなかたちで、解決して欲しいと望む。米倉新会長には、アメリカという荒御魂を合理的に鎮める知恵と実行を求められていると思う次第である。

 横道にそれたが、こういう中曽根内閣の「失政隠し」が結果的に、藤波孝男を生贄にすることにつながった。
 田中角栄はアメリカにしてやられたが、中曽根は「保身のため」、日本を売ってうまく逃げたわけである。
 中曽根は「天動説」をそのまま継承した。当時の小沢一郎は、ロッキード事件も、スーパー301条も、日本がアメリカの属国であることを改めて強く実感したのである。

 その後、平成20年、中曽根はナベツネ、小沢らと諮り、「大連合」を試みたが、民主党がその提案を蹴った結果、小沢は「民主党は政権担当能力なし」と判断し、代表退任発言をしたが、発言取り消しの要請を受けて現在に至っている。
                                             (続く)

posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 02:00| Comment(0) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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