2010年02月26日

日米経済問題J 浜田實

日米経済問題J  和佐隆弘氏からの聞き書きメモ
 「日本の世界貢献のために、アメリカにイエスと言わせる」

     坦々塾会員  浜田

日経の記者人生36年間で一度だけ国家権力の政策に関係しました。宮澤内閣の経済審議会(大阪会議)の委員に任命されたからです。
「生活大国と国際貢献」への提言を求められたのですが、これに対して「日本型経済が国家の犯罪≠生む」と警告しました。92年2月のことでした。日経入社30年目のことです。
なぜそう断言できたか振り返ってみますと、入社10年目に日経ビジネスの雑誌記者になったとき、ニクソンショックに出会ったからです。
国際基軸通貨の米ドルが金約款を破り、変動相場制に移ったときの政府、日銀の無能を見たからです。その無能政策で二度のオイルショックを克服しながら、日米経済関係は悪化の一途をたどっていたからです。日米構造協議、包括協議、そして日米円ドル委員会へと発展、87年のブラックマンデーの株価暴落となる。その中で1983年のロンヤス会談はアメリカの双子の赤字を、また基軸通貨としてのドル支えようという意味がありました。
1984年の円ドル委員会とはそういう性格でした。そして1985年のプラザ合意による円高不況です。さらには1998年のビッグバンに続きます。
その前を辿れば1971年のニクソンショックがあり、ビッグバンまで一連の流れがあります。
留意すべきは、1983年の中曽根政権のときから、1996年まで与謝野馨氏が日本側の代表として深く関わっていることです。
中曽根氏は三角大福中という構図のなかで総理就任が遅れました。ようやく手に入れた総理の座を与謝野氏が支えてきたのです。
与謝野氏が1962年、日本原子力発電に席を置けたのも中曽根さんの推薦によります。

彼が中曽根総理の秘書官になって、76年に初当選してから8年後に日米円ドル委員会が開催されました。

橋本内閣が消費税3%を5%に上げて、その結果同政権が選挙で負けたときも与謝野氏が内閣官房副長官として
政権の一翼を担っていました。BIS規制がかかるときの土地再評価法に貢献、小渕内閣では通産大臣になっています。
このとき、日本の企業が土地の簿価ー時価の価格差400兆円を自分たちのポッケにいれて、つまり自社の資本金に組み入れたのです。
企業の付加価値でない含み≠です。値上がりした土地を担保にし、挙句の果ては、税金の負担なく、経営者の自由にしたのが日本政府です。
つまりニセ金作りを行う後押しをしたうえでの脱税@e認です。それをアメリカは知っています。

当時の経団連会長は豊田会長でしたが、元会長の平岩外士氏は正常な感覚を有していたのに関わらず、
その後の豊田(トヨタ)⇒今井(新日鉄)=奥田(トヨタ)路線によって、その考え方は骨抜きにされ、結果的に与謝野
ー豊田コンビによって、400兆円の脱税を堂々と(隠して)実行することになりました。
このとき、土地再評価益の課税を推進し、財政再建の絶好の機会でしたが、すべて先送りされました。
今に至るも、過去12年間、それらの処理がなおざりにされているのです。日本政府は今こそ、その後処理をしないければならないのです。
この財源の確保こそ、刷新会議の事業仕分けの最優先課題です。予算の支出カットを先行させたのでは、ニューディールに逆行の大失敗です。
戦前の財閥と一体化した「日本株式会社」の復活です。今のアメリカによるトヨタ叩きも、その流れにあると云うことがこれでお分かりでしょう。
資本主義社会では too late が結果的に too big となって跳ね返ってくることがお分かりになりますか。

今この対策をしておかないと、日本は永遠に脱税を隠し続けることになり、末代までも影響を及ぼすことになります。
アメリカによるGM潰しは、その裏にトヨタ潰し、すなわち平成版パールハーバーにつながる話でもあるのです。
今の今、小泉劇場ならぬ「アメリカ劇場」が going concern として進展しているのです。
この背景には、日本が資産大国なのに、財政破産というパラドクスな状態にあること。こういう現象は他国ではありえない。
つまり複式簿記と時価主義会計で処理されていないということを表わします。さらにいえば、日本の脱税隠しが明白なのです。

経済法治国家アメリカは「自らのうちに全人類を読まなければならない」というのが建国の精神なのです。そういうことがアメリカの
独立宣言、合衆国憲法にも書かれています。こういうことを知らないとリヴァイアサン国家・アメリカの本質は観えないのです。
ポツダム宣言を受諾して、戦争放棄した戦後の日本は「アメリカにアメリカ以上をみる」「アメリカにイエスと言わせる」ことが必要なのです。
彼らの上院下院選挙をみても、そのプロセスは、アメリカによる、人類をどうするかの情報が隠されているのです。
これがリヴァイアサン国家・アメリカの本質です。与謝野氏はこういうことを知っていながら、ニセ学者とニセ記者が国民に教えないために、
国政に生かすことをしてきませんでした。国民を騙し続けてきたようなものです。日経が最大の共犯者≠ナす(与謝野氏は先日の衆議院予算委員会で鳩山首相を日本一の脱税王≠ニ断罪しましたが、本当は400兆円の脱税を見逃した与謝野氏の功罪はそれ以上に、はるかに大きいものがあります。しかし、それも学者とジャーナリストがきちんと産婆役の職能を果たしていれば、見逃すこともなかった<できなかった>かもしれません。その意味で与謝野氏もある意味、被害者の一人かもしれません)。

数年前には、中曽根ーナベツネー与謝野が仕掛けたと言われた大連立制を忘れてはいけません。福田も納得し、小澤は受諾しましたが、
彼は当時の民主党から拒否され、代表の座を降りるといって物議をかわしました。この目的は消費税を上げるための一連の動きでもありました。
本当は細川政権のとき、国民福祉税というかたちで、実現をねらったが、細川政権のいのち取りになってしまった。
そしていつの間にやら、その仕掛け人と目された元大蔵事務次官の斎藤氏が、小澤ー亀井の密談により、日本郵政会社社長に就任させることに
なりました。特別会計を押さえ込む戦術でもありました。不況による税収財源不足に備えた国債発行の受け皿が必要だからでしょう。

ブッシュ大統領は最初から小泉内閣の日本を属国扱いしてきましたが、GMを破綻させ、オバマ大統領はGM再生が彼の義務になりました。
オバマはアメリカの財政赤字を補填するため日中両国によるアメリカ国債の負担要請を、そして日本に対してはさらに日米の
貿易不均衡によるドル危機の原因を日本に訴えてくることでしょう。ブッシュは日本を奴隷国と思っていましたから、そのうち
どうにでもなると決め込んでいたため、日本に対して要求めいたことを言いませんでしたが、オバマは産軍複合体というアイゼンハワー以来の世界支配体制の限界を知り、チェンジする姿勢があります。遅すぎたとはいえ、日本の政権交代の鳩山内閣に対して、それらの問題も含め、
日本に対しては正規のかたちで、経済アンフェアの問題を我が国に突きつけてくることでしょう。400兆円の脱税は許されなくなったのです。

エコノミストたちによる税制に関するケインズ理解は間違っています。それゆえ、経済学が無力と言われる所以なのです。
それは畳の上で泳ぎの仕方をマスターしたと思い込み、海で溺れ死ぬようなもの、あるいは医者の誤診によって治る筈の病人がいのちを
失うようなものです。
ケインズを有効需要、内需理論がどうのとかで批判する向きも多いようですが、それはあくまで副次的な問題であり、ケインズ
が一番重要視したのは、今までの経済学がなぜ齟齬(意見の不一致)があるかを問題にしたのです。それはマーシャル経済学の「前提」が「明瞭性」と「一般性」に、そもそもの問題があるというアプローチでした。ルーズベルトのニューディール政策は当時の一般理論に基づくものでした。
科学的資本主義の確立と、国民経済計算(SNA)の説明です。

いま民主党が「コンクリートから人に」というフレーズを掲げていますが。それは今までの理屈がおかしい。現実に「人」というキーワードが民主党に勝利をもたらしました。それは本来細川内閣のとき実現すべきことでしたが、その後、あまりに
too late になったため、今日まで引き伸ばされたということです。

人間は必ず死ぬが、国家とか法人はそう簡単には死にません。リヴァイアサンという人工的人間としてのゲゼルシャフトの議論はこういう観点から行うことが必要です。
日本は1936年、アメリカの雑誌「フォーチュン」が特集した「日本論」を禁書とし、文明論議を意図的に閉ざしました。残念なことでしたが、
それは1883年(明治16年)、当時の文部省が意図的に、「勝てば官軍」の薩長藩閥の明治政府にとって都合悪い内容を含む『リヴァイアサン』の
翻訳を封印したことと軌を一にした当然の結果ともいえます。昔も今も日本社会は天皇の官僚制による「情報隠し」が幅をきかせているのです。
しかしそのおかげで、日清、日露の戦争に勝ち、アジアで唯一の一等国となり、戦後も経済大国になったのです。

国家は「国民の生命」と「領土」「財産」を保証しますが、私有財産の集積が領土であることを考えたとき、政府統計である「国民
経済計算」表を複式簿記的に眺めることがいかに大切かが分かります。「部分に人類を読む」利器だからです。
ケインズの一般理論は、まさにニューディールも含め、デカルト的に経済を解説したのでした。

繰り返しますが、450兆円の脱税は無視し続けることはできません。我が国は戦争に負け、二度と戦争はいたしませんと宣言しました
から、これから世界に貢献する道は、資源最適配分の市場機能を発揮する経済の最先進モデルとなることで義務を果たすことです。
たとえば、各国が日本以上に大きなGDP比率で軍事費を負担しています。日本は僅か1%以内です。ですから我が国が軍事負担しない分を、
各国に財政援助する。各国は日本を敵に回したら、軍事費の基礎にもなる財政援助ももらえないということになります。
こういうことをアメリカと一緒にやる。アメリカをして「イエス」と言わせるということは、こういうことなのです。
財政黒字で、円高不況で財政破産! 96年のビッグバン宣言は資源最適配分≠ニいう市場機能の確立を目的とうたっていました。
これこそ市場原理だからです。しかし、その後10年余の歴史の現実は、全く逆の最悪配分≠ノ突き進んだことを世界中に証明したのです。
世界は日本だけがおかしいと見ていることを認識する必要があります。
posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 05:00| Comment(0) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月25日

日米関係I 浜田實

日米関係I 「ジャパン2000年」草案要旨

1991年(平成3年)6月15日の読売新聞にこの大型記事が掲載されている。
この記事はCIAの民間委託報告書で「日本は世界経済の支配を狙って
いる」「日本人は責任意識に欠け、人種差別主義者だ」・・・というもの。
あまりにセンセーショナルな反応に、日米問題の専門家たちも相次いで関与
を否定したり、名前の削除を要求、さらに執筆責任者が大学のポストを辞任
するなと波紋が拡がったとある。

CIAは公式文書ではないと声明を出して、だんまりを決めこんだともある。
この報告書はロチェスター工科大学の対CIA協力を批判し続けていた地元紙が
キャンペーンの一環として暴露したものであった。それを読売新聞がスクープした特種記事であろう。

当時、日米間の経済摩擦からして、もっとこの問題を取り上げ論じるべきであったが、


他紙は取り上げなかったという。日本の新聞業界は他紙の特種情報は先を越されたとして、
編集当局は知らぬ存ぜぬを決め込むのであろうか。
こういうところにも結果的に「情報隠し」の弊害が出ているともいえよう。

厖大な量なので、結論だけを紹介する。

▽日本が比類なく効率のよい産業基盤を作り上げ、それが驚異的なペースで特定の
技術と市場を制覇していることはほとんど議論の余地はない。その経済力の基礎をなす


のは、世界経済制覇に向けた国家ビジョンだ。日本が世界の経済超大国「になったのも


彼らが自分たちの運命を並外れて管理できるからだ。
▽現在の経済の潮流を分析すれば、経済大国としての米国が苦境に置かれていること
が分かる。だが、米経済の低落を食い止めるため迅速な行動をとらなければならない、と


いったコンセンサスは米国市民の間にはない。米国人は往往にして何の理由もなく世界を
楽観視し、自分たちの安全について誤った感情を持つ。日本人はその逆に、悲観的視点


から世界を見る。この悲観主義こそ間断なき献身と掌握後の1939年にも示された。将来
日本が同盟関係を変える潜在的可能性を認識しなければ、それは単純素朴というものだ。



序論、本論、エピローグの内容は、彼らの日本に対する憎悪とも受け取れる言葉で満ち溢
れているが、当時の日本を脅威の対象、文明破壊国とでもいうようなトーンで紹介されている。
ユダヤ・キリスト教の西欧からすれば、日本の経済主義は文明の破壊者と映っていたのである。
思えば幕末ペリーの来航から大東亜戦争に至る西欧文明の来襲は、日本民族にしてみれば
それこそ異文明(文化)の日本支配と映ったものであり、文明史からすれば宿命と云うしかない
出来事であった。

ここで気になるのは、1939年に示されたものが何か、ということである。
それは1936年9月号『フォーチュン』に日本特集として紹介されたものである。
その目次を探ると次のようになる。
〇日の出の日本
〇ある大日本帝国を動かしているのは誰か?
〇日本の紳士たち
〇産業と商業(「人、円、機械」「列強としての力」
〇日本の歴史
〇利益と競争(「日本株式会社を検証する」
〇市民という名の臣民
〇農民(「持たざる農民」)
〇思想コントロール

厖大な量なので、あらためて概略を紹介したい。
何やら「ジャパン2000年」草案要旨と二重写しになるから不気味である。
関心事は、当時の我が国マスコミがこの問題をどう克明に報じたのか、あるいは無視したのか・・
ということである。

この文明相克は今後とも続くであろう。日本が自らのアイデンティティを失わないかたちで、いかに
彼ら西欧と協調してゆくべきかは心する必要がある。
                                            (続く)
posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 05:00| Comment(0) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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