2009年10月12日

地球温暖化・CO2 そして原子力発電 その2 小池 広行


 地球温暖化・CO2 そして原子力発電 その2

      坦々塾会員 小池 広行

(1) 地球環境問題(温暖化)の議論 

 地球温暖化はCO2が犯人か?

 オバマ大統領が昨日ノーベル平和賞を受賞しました。まだ就任したばかりで、大した実績もないのに、一寸おかしいような気もしますが、4月のプラハ演説で「核兵器なき世界」を訴えたことが大きく影響したのだと思います。単に演説をしただけで、具体的にはまだ何も動いていないにもかかわらず、あの演説が世界のムードにいかに大きなインパクトを与えたか、ということでしょう。オバマに対する、今後もっと一生懸命頑張ってくれ、決して竜頭蛇尾に終わってくれるな、という叱咤激励と見ることも出来るでしょう。ちなみに米国大統領としてノーベル平和賞を受けるのはオバマで4人目だとか(セオドア・ルーズベルト、ウィルソン、カーターに続く。ただしカーターは退職後の受賞)。

 ついでに付け加えておけば日本人で初めて佐藤栄作元首相がノーベル平和賞を受賞(1974年)したのは、沖縄返還とか日米安保体制強化とかのためではなく、日本の「非核三原則」声明(1967年)とNPT条約署名(1970年)が佐藤さんの任期中に行なわれたことがノーベル平和賞選考委員会のお眼鏡にかなったためで、それに対するご褒美の意味合いが大きかったということです。これなら福島瑞穂さんだって受賞されても不思議ではありませんね(笑)

 話が脇道にそれましたがこれから説明する『国連の気候変動に関する政府間パネル  (Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)』とゴア前米副大統領にも2007年度のノーベル平和賞が授与されています。温暖化防止の取り組みに貢献したのが受賞の背景です。決して非核化問題だけではないのです。

 ただ、ノーベル平和賞についえては政治的な匂いがしないでもないと皆様もお考えだとすると以下のIPCC説明も少し懐疑的になるかもしれませんね。

 前置きが長すぎました。

 IPCCの第4次評価報告書(2007年)の概要

地球温暖化の原因

 人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因とほぼ断定
      第3次評価報告書では「可能性が高い」


これまでの観測結果

○地球の平均地表気温は、100年あたり約0.74℃上昇
      第3次評価報告書では約0.6℃

○20世紀後半の北半球は過去1300年間で最も高温
○積雪面積、海氷面積の減少
○グリーンランド氷床、南極氷床の一部の流出速度増加
○20世紀における平均海面水位の上昇は0.17m
○熱帯・亜熱帯地域における旱魃の拡大、長期・深刻に

将来予測

○社会シナリオによらず2030年までは10年当たり約0.2℃上昇
○21世紀末(2090-2099年)の平均気温上昇
 -環境保全と経済発展が両立するケース:約1.8℃(1.1-2.9℃)
 -化石エネルギー源・経済成長重視ケース:約4.0℃(2.4-6.4℃)
 第3次評価報告書ではシナリオ区別せず1.4〜5.8℃
○21世紀末(2090-2099年)の平均海水面上昇
 -環境保全と経済発展が両立するケース:18-38cm
-化石エネルギー源・経済成長重視ケース:26-59cm
第3次評価報告書では9-88cm
○北極海の晩夏の海氷が21世紀後半までにほぼ消滅するとの予測も
○大気中の二酸化炭素濃度上昇により、海洋の酸性化が進行

  <「出典」IPCC第4次報告書 経済産業省資料>


 IPCCは、1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって設立された、世界各国の非常に多くの科学者および研究者が参画している組織で、世界中の研究者より得られた最先端の知見を結集し、科学的根拠に基づいた地球温暖化とそれによる影響の将来予測や、対策・適応策の可能性の提示を行い、人類に警鐘を鳴らしてきました。 それだけに第4次報告書の内容はインパクトが強い。
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/ar4syr.pdf


 昨年1月の坦々塾では地球温暖化問題をIPCCの報告書をもとに説明したことをご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。日本がCO2の排出権取引を行うことには当時から批判的でしたが、この報告書の信憑性にあまり疑問を持っていなかったこと正直に告白しておきます。なんと言ってもノーベル平和賞受賞した科学者ですから。

         <つづく>

      文責:小池 広行
posted by 坦々塾事務局大石朋子 at 00:00| Comment(2) | ゲストエッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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