平らな道、障害のない道をいう。
易経には「天沢履九二」の爻辞に出てくる。
すなわち「道を履(ふ)む坦々。幽人貞吉」がそれです。
「踏みゆくところかたよらず、ただ淡々と進みゆく」というのです。
「みずから徳をそなえているので、鬱憤(うっぷん)など洩らすこともなく、我執もない。人を惑わすこともない。世の中の荒い波風の中にあっても、やれ栄誉だ、恥辱だと心を労することはしない。
こころ常に淡々として、苦難があれば受け入れ、しかし道は道として履んでいく」
―――そういう意味になります。
「平坦」の担を思い浮かべるように、もともと「平坦」とは、「平らな」の字義を重ねた熟語。「つとめて、つとめる」という「勉強」と同じ。
また、「担は明なり」と言っています。暗愚ではない生き方になります。
それは「担」は「旦」から成っていますから、わかります。
「元旦」は一月一日の朝のこと。夜明けです。ゆえに「旦」(たん)は夜明けの明るさなのです。
伊藤悠可